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1/5院内勉強会「オスグッド・シュラッダー病のリハビリテーション」について

[2024.01.05]

明けましておめでとうございます。藤沢ぶん整形外科リハビリスタッフの織田です。

今回は、「オスグッド・シュラッダー病のリハビリテーション」について勉強会を行いました。

オスグッド・シュラッダー病は、膝蓋腱の脛骨付着部(脛骨粗面)の痛みと、腫脹が特徴です。発育期の男子に多く、男子では12~15歳、女子では10~12歳の間の発症が多いです。発育期は、脛骨粗面に骨化途中の骨端線(成長軟骨)があり、力学的に弱い状況があります。また、急激な骨成長に対し、大腿四頭筋などの軟部組織の成長が追い付かず、大腿四頭筋が相対的に緊張状態にあります。この時期にスポーツ活動で膝を繰り返し曲げ伸ばしすると、脛骨粗面に膝蓋腱を介した大腿四頭筋の牽引力が加わり、脛骨粗面の剥離や炎症を起こすのです。

オスグッド・シュラッダー病のチェックポイントとリハビリテーション

①大腿四頭筋の柔軟性低下:大腿四頭筋の柔軟性低下により脛骨粗面に牽引負荷が助長されます。目安として、うつ伏せの状態で膝を曲げて踵がお尻につかないと大腿四頭筋の柔軟性は低下しています。大腿四頭筋のマッサージ、ストレッチを指導します。

②膝蓋下脂肪体の動きの不良:膝蓋下脂肪体は、膝蓋骨の下方で膝蓋腱の後方にあります。膝の曲げ伸ばしにおいて、膝の衝撃を和らげる働き、膝蓋骨の動きをスムーズにする働き、膝の内圧を調整する働きを担っています。オスグッド・シュラッダー病の方は、ここが上手く動かない方が多いです。リハビリテーションでは、仰向けで寝て膝の屈曲角度を変えながら膝蓋骨を動かし、膝蓋下脂肪体を動かしていきます。

③大腿前脂肪体の柔軟性低下:大腿骨前面で膝蓋上嚢との間に存在する脂肪組織で、膝関節屈伸運動時における大腿四頭筋の滑走性の維持、膝蓋大腿関節の内圧調節等、膝関節の屈伸運動時に重要な役割をはたすしています。大腿前脂肪体の柔軟性低下も膝の動きに影響します。リハビリテーションでは、大腿四頭筋の一部の中間広筋をつまみ、持ち上げながら、ゆらすように動かして柔軟性を改善させます。

④ハムストリングスの柔軟性低下:大腿の裏側についている大きな3つの筋肉の総称で、主に膝を曲げる役割をする筋肉です。サッカーに伴うオスグッド・シュラッダー病の方は、ハムストリングスが硬くなっているとの報告があります。大腿四頭筋に対し拮抗する働きをするハムストリングは、大腿四頭筋と共に柔軟性低下を起こす可能性があることと、ハムストリングの柔軟性低下の結果、骨盤が後傾位となり、大腿四頭筋に負荷をかけやすくなる可能性が考えられます。立位で前屈したときに指先が地面につくか、仰向けの状態で膝を伸ばしたまま下肢を挙上した際の角度かをチェックします。リハビリテーションでは、ホームエクササイズも含めたストレッチの指導と、ハムストリングスの硬い部分をダイレクトマッサージしていきます。

そのほかに、脛骨粗面への体外衝撃波治療は、炎症の早期改善と組織修復に有効であり、定期的に行うことで早期改善を期待できます。

今回の勉強会では、各ポイントに合わせたリハビリテーション方法の実際を確認しました。

オスグット・シュラッダー病と思われる膝の痛みでお困りの方がいらっしゃいましたら、ぜひ当院へお越しください。

2024年もよろしくお願いいたします。 

理学療法士 織田

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