肩の痛み
肩が痛くて挙げられない、動かせないという症状でお困りの方いらしゃいますか?
肩関節は、球関節ですが、受け皿に対してボールが大きい特徴があります。そのため、周囲の筋肉の働きが非常に重要で、そのバランスが崩れると、痛みが出て、動かせないということになります。炎症が強いと、痛みのために寝られないということにもなります。転んで手をつくといった外傷がきっかけになることもありますが、いつの間にか痛くなったということも多いです。多くの場合、肩周囲の筋肉がこわばったり、動きが悪くなったりしてバランスが崩れて、炎症が起きています。
肩関節の治療には、このバランスの悪い状態を把握し、改善することが重要で、多くの場合、注射やリハビリなどの保存療法により改善します。
代表的な疾患
①五十肩(肩関節周囲炎)
肩周囲の組織、主に肩峰下滑液包や関節包の炎症が原因です。ある角度で肩が痛む場合、手を挙げられない(挙上障害)などがあります。
②肩関節拘縮(凍結肩)
関節包の炎症により、肩関節の動きが制限される可動域障害が起きます。可動域は一方向だけでなく全体的に制限されます。炎症の程度により痛みを伴い、強い場合は夜間痛で眠れない場合があります。
③肩腱板断裂
腱板は肩の安定した動きには欠かせないインナーマッスルです。外傷や肩の炎症によって、この肩の腱板が断裂するものを腱板断裂と言います。腱板が損傷し、機能不全に陥ると、肩の痛みや、挙上障害などが起きます。診断には、エコーやMRIが有用です。軽度の場合は、注射やリハビリで改善しますが、大きい断裂の場合は手術が必要になることもあります。
④石灰沈着性腱炎
腱板周囲に沈着した石灰による炎症が原因です。急激に発症し、痛くて動かせなくなります。レントゲンや超音波(エコー)が有用で、石灰の位置、大きさ、性状を確認することができます。
⑤スポーツに伴う肩関節痛
野球、ゴルフ、テニスなどの球技、サーフィン、水泳などのパドリングスポーツにともなう肩関節痛などがあります。多くの場合は、繰り返す動作によるオーバーユースやフォーム不良に伴う負荷の蓄積で、炎症、筋肉のこわばりや、癒着が起き、関節機能障害をきたして発症しています。
診断と治療
当院では、細やかな問診と診察、そしてレントゲン、エコー、MRI等により、正確な診断につとめます。
その診断に基づき、一人一人の状態にあった治療法を提案します。
①投薬、注射による炎症の治療
肩関節内の炎症に伴う強い痛みは、ステロイド注射が有効です。
石灰沈着性腱板炎の治療では、エコーで石灰を確認しながらの注射が有効です。
肩関節周囲炎の場合、硬くなった組織への直接的な注射も有効です。ハイドロリリースという手技でエコー下に確認しながらの注射で硬くなった組織を直接緩めることも有効です。
また、各種鎮痛薬の内服や、外用薬も有用です。
②リハビリテーションによる機能改善
可動域障害からの改善には、リハビリテーションが重要です。特に、理学療法士による一対一の動かして直すリハビリテーションが有効です。各種理学検査とレントゲン、エコー検査等から、どの動きが障害されているかを特定し、症状の原因を特定し、適切なリハビリを行います。
肩関節由来の症状は、適切に治療することにより、80~90% は良くなります。
よくならない場合は、必要に応じて手術等を提案し、紹介も行っております。
藤沢ぶん整形外科は、肩関節痛に対する治療に力を入れています。
肩関節の痛みにお困りの方は、ぜひご相談ください。