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7/12 院内勉強会「有痛性外脛骨の評価とリハビリテーション」について

[2024.07.12]

こんにちは。理学療法士の尾又です。今回は「有痛性外脛骨の評価とリハビリテーション」について勉強会を行いました。

外脛骨は、1605年にBauhinによって報告された舟状骨の内側(内くるぶしの前下方)にある過剰骨のひとつで、約15%前後の人にみられます。

有痛性外脛骨とは、この外脛骨が外傷など外部からの刺激により不安定となり、痛みを伴うようになることで、外脛骨のある人の中の10−30%に発症します。

外脛骨は形態による分類(Veitch分類)があります。

1型 舟状骨との連続性はなく、後脛骨筋の中に存在する。

2型 舟状骨と線維性・線維軟骨性に外脛骨と結合しているもの。有痛性になることが多いです。

3型 外脛骨と舟状骨が骨性に癒合している状態。

 

痛みの発生原因として、

①外脛骨に靴やボールが直接当たることなどによる皮膚・皮下組織の炎症によるもの

②捻挫や打撲などを契機として後脛骨筋腱を介して生じたストレスによって舟状骨と外脛骨の間の軟骨結合部が損傷したことによるもの

③扁平足などによる後足部の過回内により生じるもの

④繰り返しの運動負荷による慢性的な後脛骨筋の腱鞘炎

⑤慢性的な足関節の不安定性により、繰り返される打ち返しで内果と外脛骨の衝突によるもの

 

などがあります。

評価は、圧痛部位、後脛骨筋の収縮時痛・伸張時痛の有無、疼痛が生じる動作などを確認し、病態を把握します。また、足部のアライメント(扁平足の有無、回内外の状態など)、足関節の可動域や筋力、姿勢バランスなどを確認します。

足関節の背屈制限があると歩行時の下腿前傾が強くなった時に足部が外転し、内側縦アーチを潰すような動作になり、後脛骨筋に対する伸張ストレスが強くなります。その結果、痛みにつながります。罹患期間が長い症例では、足部内在筋、後脛骨筋などのアーチ保持に働く筋に著しい筋力低下を認めることがあります。足関節の背屈制限の有無、アーチ保持に働く筋の筋力評価は重要なポイントです。これらの評価の結果に合わせてリハビリテーションを行います。

 

リハビリテーションでは、

①運動量や負荷の軽減による炎症の鎮静化

②超音波による鎮痛、体外衝撃波による鎮痛と組織修復

③足関節の背屈制限につながる下腿三頭筋、長母趾屈筋のストレッチや滑走性の改善

④足関節の背屈可動域を改善するための距骨の押し込み

⑤アーチ保持に関与する足部内在筋、後脛骨筋のトレーニング

などを行います。

今回の勉強会では、足関節の背屈制限につながる下腿三頭筋、長母趾屈筋のストレッチや滑走性の改善手技、距骨の押し込み操作、アーチ保持に関与する足部内在筋、後脛骨筋のトレーニングなどを確認しました。

有痛性外脛骨でお困りの方いらっしゃいましたら、ぜひ当院にご相談ください。

理学療法士 尾又

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