7/19 院内勉強会「頚椎症と上肢のしびれに対するリハビリテーション」について
こんにちは。理学療法士の羽生です。今回は「頚椎症と上肢のしびれに対するリハビリテーション」について勉強会を行いました。
頚椎症とは、年齢による椎骨・椎間板の変形や、骨棘形成、靭帯の肥厚により頚部痛や運動障害が生じるものの総称です。
頚椎症を基礎として、脊髄症状を呈した①頚椎症性脊髄症と神経根症状を呈した②頚椎症性神経根症と言います。
①頚椎症性脊髄症:脊髄管内で脊髄が圧迫されて手の巧緻動作障害、四肢・体幹の感覚障害、歩行障害、膀胱直腸障害などの脊髄症状がでるものをいいます。
②頚椎症性神経根症:椎間孔で神経根が圧迫されて一側上肢(まれに両側)の筋力低下・筋萎縮、一側上肢・手指のしびれや疼痛などの神経症状がでるものをいいます。
評価は、問診(疼痛部位、疼痛動作、症状が改善させる姿勢・動作)、頚椎の前後屈などによる疼痛誘発テスト、神経機能評価(筋力テスト、感覚検査、反射検査)、姿勢評価を行います。
これらの理学所見とレントゲンとMRIによる画像所見を総合して診断します。
リハビリテーションでは、①徒手牽引、②頚椎のモビライゼーションなどで狭小化した椎間孔の拡大を図ります。また、③頚部側屈ストレッチにより頚椎の可動性の改善を図ります。さらに、④retraction運動、⑤頚椎伸展筋力エクササイズにより頭部の前方偏位を改善し、⑥僧帽筋下部トレーニングにより肩甲骨の位置を修正します。
手指の痺れに対しては、末梢神経のスライディングテクニックなども併用します。
来院時に行うこれらのリハビリテーションに加えて、ご自宅で行なっていただくホームエクササイズは欠かせません。
姿勢改善のための頚部のストレッチ、姿勢保持に必要な筋力トレーニング、可動域訓練など病態にあったホームエクササイズを提案しますので、自宅で1日3回程度時間を作って続けることをお勧めしています。
これからも皆さまの力になれるよう学び、学びに基づいたリハビリテーション治療を頑張ります。よろしくお願いします。
理学療法士 羽生