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2/2 院内勉強会「上腕骨内側上顆炎のリハビリテーション」について

[2024.02.02]

みなさんこんにちは。藤沢ぶん整形外科リハビリスタッフの織田です。

今回は、「上腕骨内側上顆炎のリハビリテーション」についての勉強会を行いました。

上腕骨内側上顆炎は、肘の内側の骨性隆起、上腕骨内側上顆周囲に痛みを起こす疾患です。原因は、多くが手指や手関節を反らす動きの繰り返しによる筋肉付着部での炎症と考えられます。テニス、ゴルフなどの手を使うスポーツや、料理や重いものを持つ仕事に伴う発症が多いです。発生率は、人口の1%以下と言われておりますが、上腕外側上顆炎の症状で来院される方は少なくありません。男女を問わず40〜60歳代に多く、全体の75%は利き腕に発症します。治療は、投薬、ステロイド局所注射、リハビリテーション、テニス肘バンド装着などの保存療法を行います。

リハビリテーションでは、3つのポイントに沿って治療します。

①上腕骨内側上顆に付着している前腕屈筋回内筋群(浅指屈筋、尺側手根屈筋、円回内筋)の柔軟性、滑走性改善

これらの筋の柔軟性低下は、付着部の上腕骨内側上顆の摩擦や牽引ストレスにつながり、発症の原因となります。これらの筋の走行に合わせてストレッチを行い柔軟性をの改善を図ります。また、筋間を押しながら、肘関節の屈伸、前腕回内外、手関節掌屈を行うことで、滑走性の改善を図ります。

②肘の外反制動をする筋(浅指屈筋、尺側手根屈筋)の筋力低下の改善

上腕骨内側上顆炎になりやすい方の特徴として、肘外反アライメントがあります。これは、肘関節を伸ばした状態で、上腕に対して前腕が外に向いている状態です。骨折などの怪我による変化の場合もありますが、既往がなくても個人差としても存在します。外反アライメントの場合、浅指屈筋や尺側手根屈筋などの緊張が高くなりやすく、その結果として上腕骨外側上顆へのストレスとなり、発症につながります。また、これらの筋の筋力低下があると、スポーツや日々の活動においてオーバーユースの状況になりやすく、発症につながります。筋力強化トレーニングとして、座位で肘を少し曲げた状態でスポンジなどを把持して、手首を掌屈したり尺屈したりして、筋力強化を行います。

③肘の屈伸動作の適正化

肘関節は、上腕骨と前腕骨(橈骨、尺骨)で構成されています。屈曲動作の際に両者の位置がずれていると痛みが生じやすくなります。肘の位置の確認方法として、屈曲時はヒュータ―三角(肘頭、上腕骨内側上顆、外側上顆での三角)が二等辺三角形になっているか、伸展時は、肘頭、上腕骨内側上顆、外側上顆の3点が一直線になっているか、を評価する方法があります。左右差があれば、修正します。修正後に、上腕三頭筋の強化(うつ伏せでボールをはさみながら肘を伸展させる)や、肘筋の強化(肘関節最終伸展域で前腕の回内運動をする)を行います。

肘の内側に痛みがある方、内側上顆炎の可能性があります。ぜひ、相談ください。

今後とも適切なリハビリテーションを提供できるよう精進してまいります。 

理学療法士 織田

 

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