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鎖骨骨折と宮古島トライアスロン

[2024.04.20]

4/14の宮古島トライアスロンに向けてトレーニングに励んでいた3月上旬に、自転車で転倒して右の鎖骨を骨折しました。

学生時代にスノーボードで左の鎖骨を骨折したことがあり、その記憶から転倒直後にまたやってしまったことを悟ったのでした。当院の建物の1FにあるメディカルスキャニングさんでCTを撮っていただいて、鎖骨の転位が大きいこと、肋骨も折れていることがわかりました。肩を動かすとグラグラして痛いし、くしゃみをすると肋骨に響いて激痛で、横になるのも辛いのでした。鎖骨は、保存療法でなんとか治したいと思っていましたが、落ち着く兆しがなく。

手術を決心し、藤沢市民病院の松尾部長にお願いしました。3/19に臨時休診とさせていただき、手術を受けました。ご来院いただいている方々には、ご迷惑をかけました。人生で初めての全身麻酔と手術でした。

手術室に入室し、手術台に上がって横になり、麻酔科の先生の声に従って深呼吸して。勤務医の頃は手術をする側として過ごしていた時間を、受ける側として体験したのはとても新鮮でした。「では、眠くなりますよ〜」と言われた後のことは全く覚えていません。気づいたら病室に戻っていて。恐る恐る右肩を触ると感覚がなくて、麻酔の際の局所麻酔注射がしっかり効いていることを知ったのでした。久しぶりに痛くない状況で、気が楽になり読書をしていましたが、深夜になって麻酔が切れて激痛となり、たまらずナースコールを押しました。段階に応じて鎮痛処置が決まっているはずですが、初めの注射では楽にならず、第2段階の点滴もお願いしたのでした。勤務医の頃には、術後の痛みは良くなるために乗り越えなけでばならないもので、仕方ないのだ、くらいに思っていましたが、もっと寄り添うべきだったと反省しました。

術後の痛みは、日を追うごとに改善していき、痛み止めを飲んだ期間は2−3日でしたが、肩のこわばりは想像以上に強かったのでした。痛みで動かせなかった期間が、肩周囲筋の拘縮を引き起こし、動かした時の痛みへの反応でさらにこわばりが強くなることを強く実感しました。

手術を受けてから大会までの4週間弱は、今までに学んだ肩関節の知識をフルに活かして、リハビリに励みました。術後5日目にランニングを再開、術後10日目に水泳を再開し。自転車は、肩のこわばりと転倒の記憶のトラウマから時間がかかり、術後19日目に再開。

術後24日目の出発する日になっても、肩のこわばりと違和感は強く不安でしたが、宮古島に行きたい気持ちを抑えることはできませんでした。4/14大会当日朝、会場の人混みの中で参加者たちの発する強烈な熱気を感じた時、無理して宮古島に来てよかった、と思いました。今回は、”練習”じゃなくて、”怪我の治療とリハビリ”をできる限りやった、という変な自信もあって、少し開き直った気持ちでスタートに。

肩の故障の影響から一番不安だったのはスイムで、あとは何とかなると思っていました。実際は、スイムが一番上手くいったのでした。(必死に泳ぐ動作は、いいリハビリになるようです。)一方、バイクは最後の20kで熱中症気味になって、ランはだいぶ歩いて何とかゴール。肩はスイムに間に合ったけど、バイクとランの練習不足を痛感した9時間54分25秒でした。

昨年の周回コースと違って、今回のランは約半分で折り返す直線コースでしたので、折り返しを終えたトップ選手をはじめ、前をいく選手達とすれ違いながらゴールを目指します。トップ選手の走る姿は、力強く、気迫に満ちていて、眩しかったのでした。怪我した日から、何とか出たい、出れるだけでもいい、と願って日々を過ごし、レース中出れていることに満足している自分がいましたが、走り続けられていない自分がだんだん嫌になってきて。ゴールして、メダルをかけてもらって、嬉しい気持ちはありましたが、心の奥に悔しさの漂う2度目のストロングマンでした。次に来るときは、ゴールまで歩かない自分でありたいです。

もやもやしながら日常に戻りましたが、朝スイムや通勤ランを再開してみると、思った以上にダメージが残っていて泳げないし、走れない。鎖骨も肋骨もこわばりと違和感がしっかり残っていて。あの日、自分はそれなりに頑張ったのかな、と思い直したりするのでした。

整形外科医的に振り返ると、早いタイミングで手術をしていただき、その後に積極的に動かすリハビリをしたことが、完走できたことにつながったと思います。やっぱり、動かすことは大切なんだと自分の身で再確認しました。

また頑張ります。

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