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9/22 院内勉強会「骨盤のアライメント不良に対するリハビリテーション」について

[2023.09.22]

こんにちは。理学療法士の高橋大基です。今回は「骨盤のアライメント不良に対するリハビリテーション」について勉強会を行いました。

骨盤は左右の寛骨と仙骨の3つの骨で構成されています。3つの骨は、靭帯や筋肉で強固に固められています。

出産による骨盤輪の拡大や、左右の筋バランスが崩れる事で、骨盤のアライメント不良(位置異常)が生じます。

アライメント不良を生じたままにすると、骨盤アライメントの非対称性増強、骨盤周辺の筋活動の左右のバランス悪化、疼痛や股関節〜下肢の機能障害につながる可能性があります。

アライメントの評価

①骨盤の前後傾の状態②回旋の状態③仙骨の向きをチェックします。

①前後傾のチェックでは、上後腸骨棘に対し上前腸骨棘が何横指上または下にあるのかで判断します。

②回旋のチェックでは、上前腸骨棘の左右で高さに違いがあるのかをみて判断します。

③仙骨の向きは、両側の上後腸骨棘の二等分線の間に仙骨があるのかで判断します。

骨盤アライメント不良に対するリハビリテーション

①表層の滑走不全の改善:臀部から外側にかけての皮膚・筋膜の滑走不全や臀筋群の伸張性低下の改善を図ります。大殿筋、ハムストリングス、大腿筋膜張筋、外側広筋の表層の皮膚を摘んだ状態で、股間節の屈伸や内外旋を行うことで滑走不全を改善します。動かした際の皮膚抵抗感がなくなるまで続けることが大切です。

②筋の柔軟性改善:大殿筋や大腿筋膜張筋に対するストレッチを行います。表層の滑走性改善後に行うことで、ターゲットとした筋のみをストレッチすることができます。

③トレーニング:アライメント改善後に状態維持を目的に、骨盤の安定性に深く関与している腹横筋下部の持続的な収縮を獲得する必要があります。持続的な収縮を得るには、腹横筋上部(呼吸筋)と腹横筋下部(姿勢筋)がそれぞれの役割を分担することが重要です。ドローイングやプレーシングからはじめます。運動に慣れてきたところで横隔膜呼吸と呼ばれる、下腹部に力を入れたまま深呼吸する運動を行い、呼吸筋との分離運動獲得を目指していきます。

今回は、骨盤アライメント不良を修正するためのリハビリテーションの流れを確認しました。

大腿骨頸部骨折や人工股関節置換術など、股関節周囲の手術後では、手術に伴う皮膚切開の結果、皮膚と筋膜下での癒着が起きていることが多いです。そのような場合は、このリハビリテーションで疼痛の改善や歩行機能の改善につながる可能性があります。当クリニックでは、地域の病院で手術を受けた方の術後リハビリにも積極的に対応しております。是非相談ください。

これからも、地域住民の方々やスポーツ愛好家の方々の期待に応えるリハビリテーションを提供し、機能改善から再発予防までサポートしたいと考えます。よろしくお願いいたします。

理学療法士 高橋大基

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