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6/9 院内勉強会「投球時のインターナルインピンジメントのリハビリテーション」について

[2023.06.09]

こんにちは。理学療法士の高石です。今回は「投球時のインターナルインピンジメントのリハビリテーション」について勉強会を開かせて頂きました。

インターナルインピンジメントとは、投球時のコッキング期(肩関節外転90°+外旋のポジション)に棘上筋や棘下筋(特に棘下筋)の上腕骨頭付着部が肩関節後方の関節唇に接触して挟み込まれる事によって発生します。繰り返す投球動作により腱板部分損傷(関節内側)を引き起こす場合もあります。

このインターナルインピンジメントを防ぐためには、上腕骨と関節唇の位置を適切に保つ必要があります。そのためのポイントとして、次の2点挙げられます。

①肩甲骨の後傾(内転+外旋+後傾)ポジションの獲得

小胸筋や前鋸筋の柔軟性低下や、菱形筋や僧帽筋中下部の筋力低下は、肩甲骨の動きを阻害してインターナルインピンジにつながります。このため、小胸筋や前鋸筋のストレッチや、菱形筋や僧帽筋中下部の機能改善を図ります。

②上腕骨の過度な外旋を防ぐ

過度な外旋の原因として、肩関節の後下方にある関節包や筋肉の柔軟性低下と、最大外旋位(MER)での胸椎伸展不足が挙げられます。肩後方の軟部組織のストレッチと胸椎の進展方向へのストレッチが必要です。

今回の勉強会では、後方組織(棘下筋、小円筋)のダイレクトストレッチ法、棘下筋の拘縮に対する徒手療法として、菱形筋の低負荷の反復性等尺性収縮、肩甲骨内側縁からの共同腱のリリース、棘下筋の低負荷の反復性等尺性収縮を試しました。また、腱板筋強化、胸郭伸展エクササイズ、僧帽筋中・下部のトレーニング法を確認しました。

投球復帰にあたっては、全身動作であることから下肢機能として軸足股関節の内旋可動域や大腿部後面の柔軟性の評価、介入も重要と考えています。さらに投球フォームの動作分析から、局所の機能改善だけでなく、不良動作の改善による再発予防まで取り組んでいくことが大切だと考えます。

これからも一人一人に合ったリハビリテーションを提供できるように日々研鑽に努めてまいります。よろしくお願いいたします。

理学療法士 高石

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