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6/2 院内勉強会「外傷性頚部症候群による頸部痛としびれに対するリハビリテーション」について

[2023.06.02]

みなさんこんにちは藤沢ぶん整形外科リハビリスタッフの織田です。今回は、「外傷性頚部症候群による頸部痛としびれに対するリハビリテーション」をテーマに勉強会を行いました。

頸部に急激な加速や減速による負荷がかかった結果、頸部痛などが生じる外傷性疾患の総称を外傷性頸部症候群(WAD:whiplash associated disorders)と言います。いわゆる”むち打ち”です。受傷機転は、自動車乗車中の衝突事故、なかでも追突事故による受傷が多いです。また、ラグビー、アメフト、格闘技、そしてサッカーなどコンタクトスポーツでも発症します。

頸部の痛みやしびれの結果、頚部前方位などの姿勢不良が起こります。受傷から時間が経過してもこの姿勢不良が残っている場合、頚部の後方筋組織に過剰な筋活動を要するため、後継部痛が遷延することになります。

頚部の前後方向の姿勢は、横から見た際に耳たぶと肩のラインが一直線に揃うのが正しい姿勢ですが、外傷性頚部症候群の方は、この姿勢を維持できないことが多いです。リハビリテーションでは、姿勢不良を改善するために胸椎から姿勢矯正やストレッチを行い、頸部の可動域を向上するエクササイズを行います。また、

外傷性頚部症候群の方の中には、上肢のしびれを伴う方がいらっしゃいます。これは、頚椎から分岐して手まで分布する神経が、受傷時に牽引されたり、受傷後周囲の組織と癒着することにより発症すると考えられます。この場合、しびれの範囲や誘発テストの結果から、原因神経を同定します。この結果に応じて神経滑走操作(スライディングテクニック)を行います。

スライディングテクニックとは、正中神経、橈骨神経、尺骨神経それぞれの走行に応じて、頚部と上肢を同時に動かすことにより、体内の神経に滑りを起こし癒着を解除するものです。やり方を覚えると自宅でのホームエクササイズとしても有用です。

今回の勉強会では、実際に理学療法士が介助して行う神経滑走操作や、ホームエクササイズとして患者さん自身に行っていただくやり方を確認しました。

外傷性頚部症候群の多くは、経過は良好です。基本的な運動や活動を続けることが回復を早めます。過度な安静や活動制限は回復の遅れを引き起こす可能性があります。

外傷性頚部症候群(むち打ち)に伴う頸部痛やしびれでお困りの方がいらっしゃいましたら当院へ相談ください。

理学療法士 織田

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