5/24院内勉強会「頚椎疾患のリハビリテーション」について
今回は、「頚椎疾患のリハビリテーション」について勉強会を行いました。
頚椎疾患で当院でリハビリテーションを行うものは、①頸椎症、②頸椎症性脊髄症、③頸椎症性神経根症、④頸椎ヘルニア、⑤外傷性頚部症候群、⑥胸郭出口症候群などがあります。
評価では、まず問診で痛みの程度、期間、原因となった事柄などを確認します。次に、実際に頚部を動かして頂き、前後屈、左右の側屈・回旋などに伴う症状の有無を確認します。さらに、頚部〜手指にかけての知覚障害、筋力低下などの有無を確認し、各種誘発テストなどで病態を推測します。その上で、レントゲンやMRIを行い診断します。その診断に沿って、投薬、注射、リハビリテーション等の治療を行います。
頚部のリハビリテーションでは、問診や視診をはじめ、可動域や筋力、動作を評価した上で、痛みの原因を姿勢や筋バランスから特定します。その上で、①生活指導、②アライメント修正、③ホームエクササイズ指導などを行っています。
①生活指導では、日常生活の中で首に負担が掛かる原因を見つけ、改善を図ります。具体的には、普段から猫背の方や、デスクワークの方であれば猫背姿勢や頸部・頚部の強い前傾姿勢などが問題になり、日常の姿勢の注意や、デスクの高さ、モニターの向きなどの調節を提案します。
②アライメントとは、骨や関節の位置関係のことを指します。安静時の頚椎アライメントの目安は、耳孔と肩峰のラインが揃う状態です。また、前後屈、側屈、回旋などの動作においても適切なアライメントがあります。頭部の前方突出は、斜角筋、胸鎖乳突筋、後頭下筋群背筋群などのバランスが影響しており、徒手による筋緊張の解除や運動療法を行います。猫背姿勢に関しては、土台である胸椎や腰椎、そして肩甲骨の位置や肩甲骨周囲筋のバランスも含めて修正する必要があります。動作に伴うアライメントの問題では、体幹回旋動作の評価、改善も重要です。
③ホームエクササイズ指導では、当院でのリハビリテーション中にセルフマッサージと運動療法をお伝えします。良いアライメントを維持できるように、頚部周囲筋の緊張を和らげるセルフマッサージと、必要な筋力を強化する体操です。これらを自宅で毎日しっかり行っていただくことが症状改善と維持につながります。毎日の運動を習慣化できるよう、心がけましょう。
当院では、高齢者からスポーツ愛好家、学生さんなど、さまざまな方にリハビリを提供しています。
これからも皆さまの力になれるよう学び、お役に立てるよう頑張ります。よろしくお願いします。
理学療法士 髙橋大基