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5/17 院内勉強会「足関節疾患に対するリハビリテーション」について

[2024.05.17]

こんにちは。藤沢ぶん整形外科リハビリスタッフの織田です。今回は、「足関節疾患に対するリハビリテーション」について勉強会を行いました。

足関節のリハビリテーションにあたって重要なポイントは、以下のことが挙げられます。

A、Joint by Joint theoryに基づくと、足関節(距腿関節)は可動性を求められる関節であること。

B、足趾を背屈すると足底筋膜の緊張が上がり、足部の剛性が高まり、歩行時の力の伝達効率が上がる(ウインドラス機構)。

C、足部を後ろから観察した際の下腿から足部にかけての姿勢で、足関節が内側に倒れていることを回内、外側に倒れていることを回外と言います。足部は、歩行に伴う接地の衝撃吸収で回外から回内へと一定の範囲で動きますが、足周囲の筋バランスの不良があると、この回内・回外の範囲が生理的範囲を超えることがある。

リハビリテーションは、これらの特徴を踏まえて行うことが大切です。

当院で対応することの多い足関節疾患として、①変形性足関節症②アキレス腱炎・周囲炎③足底腱膜炎④足関節捻挫などが挙げられます。

①変形性足関節症は、足関節の軟骨が変性して炎症が起こり、痛みや可動域制限を生じる疾患です。加齢に伴う場合と捻挫や骨折などの外傷をきっかけに発症する場合があります。進行すると、足部全体の変形に至り、アーチの低下や過度な回内などにつながります。リハビリテーションでは、aストレッチによる可動域制限の改善、b足関節周囲筋の強化、c運動療法(足の着き方が真っすぐになるように正しい動きのトレーニングなど)を行います。

②アキレス腱炎・周囲炎は、繰り返す負荷によりアキレス腱や腱周囲を覆う膜組織(パラテノン)や脂肪組織(Kager‘s fat pad)に炎症が起きる疾患です。アキレス腱の腫脹や圧痛を伴います。原因として、運動量の増加や、足部・膝などの周囲関節の機能不全によるアキレス腱への過負荷が挙げられます。Kager‘s fat padとは、アキレス腱と長母趾屈筋腱と踵骨に挟まれている脂肪組織で、組織間の滑走性の促進、摩擦の緩衝に働きます。アキレス腱周囲炎では、Kager‘s fat padの柔軟性が低下していることが多いです。リハビリテーションでは、Kager‘s fat padへの徒手療法で滑走性の改善を図り、痛みに応じたアキレス腱のストレッチを行います。

③足底腱膜炎は、足の裏にある足底腱膜が立位や歩行・走行の際に強い伸張ストレスを受け、痛みがでる疾患です。前述のウインドラス機構が歩行時の踏切時に足部の剛性を高める働きを果たしていますが、足底腱膜炎では、ウインドラス機構が働かなくなり、病態の悪循環につながります。リハビリテーションでは、足底腱膜を柔らかくするストレッチを行い、足趾の屈伸体操(タオルギャザー)で足底の筋力強化を行い、ウインドラス機構の機能を回復させます。さらに、踵あげ体操(カーフレイズ)など足関節周囲筋の機能改善により、足底に負荷が偏ることの防止を図ります。

④足関節捻挫は、足首に生理的範囲を超えた捻る力が働いた結果、足関節安定化機構の靭帯が損傷する疾患です。内側に捻る捻挫が多いですが、外側に捻ることもあります。安静期間の後に足関節周囲組織の拘縮による可動域制限や、動作不良が残ることが多く、周囲の痛みや、歩行時の違和感につながります。特に足関節の背屈制限が残りやすいです。これは安静固定によりアキレス腱や後方関節包が硬化し、脛骨に対する距骨の後方への滑りが制限されることによります。リハビリテーションでは、足を接地した状態で、タオルやセラバンドを足関節前方から当てて、距骨を後方に押さえながら足関節背屈運動を行います。合わせて、タオルギャザー、カーフレイズなどによる足関節周囲筋の強化を行います。

もし足の痛みでお困りの方がいらっしゃいましたら、当院へお越しください。

理学療法士 織田

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