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3/8 院内勉強会「外傷性肩関節不安定症のリハビリテーション」について

[2024.03.08]

みなさんこんにちは。藤沢ぶん整形外科リハビリスタッフの織田です。今回は、「外傷性肩関節不安定症のリハビリテーション」についての勉強会を行いました。

肩関節不安定症は、脱臼や亜脱臼により肩関節の痛みや不安感を生じる疾患です。外傷性と非外傷性があります。

外傷性では、ラグビーや柔道などのコンタクトスポーツでの外傷と転倒等の日常生活での外傷で起きます。多くは上腕骨頭が前方に外れる前方脱臼です。この場合は、前方の組織が伸張される過度な外転・水平伸展・外旋の組み合わせが原因肢位となります。脱臼の結果、関節包、靭帯断裂、骨損傷、腱板損傷などが起き、脱臼しやすい状態となります。特に、若年層の場合、脱臼を繰り返すようになることが多く、このような状態を反復性肩関節脱臼と呼びます。

非外傷性の場合は、関節弛緩性に由来する習慣性亜脱臼や多方向性肩関節不安定症などがあります。

肩関節不安定症で最も多いものは、反復性前方肩関節脱臼と言われています。初回脱臼では、安静期間ののちに、リハビリテーション(可動域訓練、筋力強化)を行いますが、反復性脱臼になってしまった場合は手術が必要です。当院では、初回脱臼後のリハビリや、反復性肩関節脱臼の術後リハビリにも対応しております。

不安定性の評価として、Load and shift test 、sulcus signなど、肩甲骨関節窩から上腕骨頭がどのくらい動くのかを触診で確認します。健側、患側と確認し、左右差を確認します。また不安感の評価として、apprehension test(肩関節を90度外転位とし、ゆっくりと外旋させたときの脱臼不安感の有無を確認)も行います。

リハビリテーションでは、受傷後の病期に合わせた対応を行います。

①炎症期(受傷後0-3週)では、炎症のコントロールと組織修復を目的に超音波などの物理療法を行い、筋力低下の予防のために緩やかな可動域訓練や、等尺性収縮運動を行います。

②回復期(受傷後3−6週)では、可動域の回復、肩甲上腕関節の求心位獲得、肩甲帯の機能改善を目的に自動運動、等張性収縮運動、四つ這いでの運動を行います。

③強化期(受傷後6-9週)では、筋力、筋持久力の強化、関節位置覚の正常化目的に、筋力トレーニング、リズミックスタビライゼーションに取り組みます。

その上で、スポーツ復帰に向けた競技動作に合わせた運動療法を行います。

今回は特に回復期のリハビリテーションとして、肩甲骨の可動性改善のための体操としての片膝立ちの状態で腕を後ろに持っていき体を捻る動き、肩甲骨周囲筋の強化のためのセラバンドを腕に巻いて両肘を曲げて腕を突き出しながら腕を広げようとする動きを試しました。胸鎖関節や胸郭の動きに左右差がある場合に有効な、四つ這いで手を着いて上腕骨頭前方偏位を制御しなら左右の鎖骨を交互に動かす運動も試しました。

当院は、肩の脱臼後の肩関節不安定症に対するリハビリテーションも積極的に対応しております。ぜひ、相談ください。

理学療法士 織田

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