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2/17 院内勉強会「仙腸関節炎のリハビリテーション」について

[2023.02.17]

みなさんこんにちは、藤沢ぶん整形外科リハビリスタッフの織田です。本日は「仙腸関節炎のリハビリテーション」についての勉強会を行いました。

仙腸関節は、仙骨と腸骨から成り立ち、脊柱の根元に存在し、体重の約2/3を占める上半身をしっかり支えつつ、地面からの衝撃をわずかな可動域で緩和しています。すなわち、仙腸関節は人体の重心近くで衝撃吸収装置として機能しており、直立二足歩行のために不可欠な構造です。この仙腸関節は、わずかな可動域で大きな負荷に対応しているため、不意の外力や繰り返しの衝撃で関節に不適合が生じます。その繰り返しの結果、関節の機能障害が発生し、仙腸関節炎に至ります。

仙腸関節炎の症状は主に仙腸関節から臀部にかけての痛みです。また特徴的な所見が2つあります。1つ目は、椅子に座るときに痛い方の腰を浮かすことがあります。この場合でも正座は痛くなく可能なことが多いのも特徴です。2つ目は、痛い場所を確認すると指1本で示すことです。腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの腰痛疾患では、手掌全体で痛い所を示すのに対し、仙腸関節炎の場合は痛い場所を指1本で示すことが多いと言われています。

評価法について

仙腸関節炎は仙骨と腸骨のズレによって発症するため、リハビリではわざと仙骨と腸骨をずらすテストを行い、痛みが誘発されるか確認します。また、仙骨の傾斜を評価する方法を試しました。

リハビリテーションについて

仙骨と腸骨がずれるパターンは何種類かあります。今回は、立位時やうつ伏せ時に腸骨に対して仙骨が傾斜し、仙腸関節にズレが生じて痛みが出現する場合のリハビリテーションについて実技を含めて確認しました。仙骨が傾斜する原因には、①傾斜している方の筋肉や靭帯が硬く、仙骨を引っ張ってしまう、②傾斜していない側の筋力が弱く、仙骨が対側に引っ張られてしまう、の2パターンが挙げられます。

①では大殿筋や深層外旋六筋という筋肉や長後仙腸靭帯・仙結節靭帯という靭帯が固まってしまうことが多いため、左右差がなくなるまでダイレクトマッサージする手技を試しました。②では筋力バランスを改善するための臀部を締めるトレーニングを試しました。

腰痛で来院中の方で仙腸関節部の痛みを伴う方は、意外と多い印象があります。この記事を読んで当てはまる方がいらっしゃいましたら、ぜひ当院を受診してみてください。痛みの改善に向け、適切な評価とリハビリテーションの提供に努めます。よろしくお願いいたします。

理学療法士 織田

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