9/1 院内勉強会「骨盤・体幹部インナーマッスルの機能とリハビリテーション」について
こんにちは、理学療法士の高石です。今回は「骨盤・体幹部インナーマッスルの機能とリハビリテーション」というテーマで勉強会をさせて頂きました。
体幹部の筋肉はインナーマッスル(ローカル筋)とアウターマッスル(グローバル筋)に分けられます。
インナーマッスルとは、筋肉の付着している所が腰椎に直接付着する筋と定義され、体幹深部に位置し腰椎の分節的安定性を制御しています。アウターマッスルとは、脊椎に直接付着しない多分節間を横断する表在筋であり、主に関節を動かす役割があります。また、多分節間を横断していることから張り網のように作用し,胸郭から骨盤に力を伝達しています。この 2 つの筋システムが相互に作用することに より腰椎の安定性が増加します。
今回着目したインナーマッスルには3つの活動様式があります。
① Early activity:四肢運動時に腹横筋は主動筋よりも早く活動することで、四肢への力の伝達や円滑な運動制御をする活動様式です。瞬発的な運動のことです。
② Tonic activity:歩行やランニングなど負荷の低い反復運動や姿勢制御を行う際に、低い筋活動量を保ちながら持続的に活動する活動様式です。
③ Phasic activity:ランニングやジャンプなどの負荷の高い運動時に筋活動量が高低する on/off のある筋活動様式です。着地ではアウターマッスルと共同的に働くことで筋活動量が高くなり、空中姿勢では筋活動量が一気に低下します。
運動療法では、これらの活動様式を踏まえた上で状態に合わせて必要なトレーニングを提供していくことが大切だと考えます。
今回の実技では腹横筋や多裂筋の収縮を意識するようなモーターコントロールエクササイズやスポーツ動作でのアウターマッスルとの共同的な活動を狙った運動、体幹部の筋筋膜経線に沿ったトレーニングなどを行いました。
今回の勉強会を通して、腰痛改善のためにインナーマッスルのどの機能を補うべきか理解すること、その人の活動レベルにあった運動療法を提供することの重要性を改めて認識しました。これからも日々学び、新しい知識を取り入れ、より良いリハビリテーションを提供出来るように頑張ります。
理学療法士 高石