8/5 院内勉強会「ハンドボールにおける肩障害」について
みなさんこんにちは。
藤沢ぶん整形外科リハビリスタッフの織田です。今回のテーマは「ハンドボールにおける肩障害」です。最近、ハンドボールにおける肩障害の方の対応させていただきました。その際、自宅での自主トレーニングによりいい方法はないかという思いがありました。そこで、今回の勉強会のテーマにさせていただきました。
ハンドボールにおけるスポーツ障害は、足関節、膝関節、肩関節の順に多いと言われています。下肢に対して肩関節の障害は多くはありません。しかしハンドボールの競技特性に、倒れ込んだ姿勢でのシュート、回転をかけるための捻り動作、腕を振り抜かないコンパクトな投球動作などがあり、オーバーユースに伴う障害は少なくありません。
今回担当させていただいた方の投球動作は、身体の開きが早くコッキング期で肘下がりを招いており、そこで痛みを訴えておりました。肘下がりをきたす原因として、①前腕(肘から下)の回内制限、②テイクバック時の体幹の回旋不足が挙げられます。
リハビリテーションでは、コッキング期の肘下がりの改善目的に、①肩の可動域の改善、②肩甲帯の可動域改善、インナー強化を行います。これらは、ダイレクトマッサージ、ストレッチング、抵抗下での運動等、理学療法士の介入下での治療となります。
今回、治療効率を上げるための自主トレーニングも検討しました。
同じ投球障害を起こす野球での自主トレで、肘下がり改善につながるものとして2つの体操を選んでみました。
1つ目はミネソタ・ツインズに所属する前田健太投手のキャッチボールです。
前田投手は右投げですが、投球動作時に左手のクラブを腰に当てて投げるようにしています。こうすることでアーリーコッキング期において早期の身体の開きが出ないようになります。前田選手は、高校時代から既にこの練習を取り入れていたそうです。
2つ目はオリックスバッファローズに所属する山本由伸投手のやり投げ練習です。
2021年沢村賞とMVPを獲得した投手です。
野球ボールとは違い、やりは長いため、腕だけでなく体幹の回旋動作も十分にないと上手くなげられません。体幹の回旋が使えるようになることで、肘下がりを防げます。
実際にやり投げしている山本投手の動画を見ると、体幹の回旋動作が十分かつスムーズでした。(当然ですが。)
今回は、この2つの練習に注目しました。
全ての方に同じ自主トレメニューが合うことはありません。病態の評価、把握の上で、最適な提案ができるよう、理学療法士として学び続けたいと考えます。
ハンドボールなど、投球動作で痛みがある際はぜひご相談ください。期待に応えるリハビリテーションとなるよう、頑張ります。
理学療法士 織田