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11/29 院内勉強会「足底腱膜炎のリハビリテーション」について

[2024.11.29]

こんにちは。理学療法士の尾又です。今回は「足底腱膜炎のリハビリテーション」について勉強会を行いました。

足底腱膜とは、踵骨底面から第1〜5趾に付着し、足部アーチ保持に関与する組織です。足底筋膜炎とは、足底の踵から土踏まずあたりに痛みが起きる疾患で、足底腱膜に繰り返し張力負荷が加わることで微細損傷が生じることが原因と考えられています。スポーツ、ランニングでの発症要因としては、急な負荷量の増大、走行ペースの変化、硬い路面、靴の変更などの外的要因、足部アライメント不良、足関節背屈制限などの内的要因が関与します。

ランニング動作の各局面では、フットストライクで地面からの反力増大による圧迫ストレスが生じ、ミッドサポートではKnee-in Toe-outにより伸張ストレスが生じ、テイクオフでは蹴り出し時に伸張ストレスが生じます。これらが繰り返し加わる事により発症に繋がります。

リハビリテーションでは、①足底腱膜の柔軟性改善、②下腿三頭筋の柔軟性改善、③動的アーチ保持機能向上、④動作の改善を行います。

①足底腱膜の柔軟性改善

足底腱膜の柔軟性が低下していると伸張ストレスが生じやすくなります。歩行・走行動作の蹴り出し時に足趾は伸展し、足趾に付着する足底腱膜は巻き上げられ、内側縦アーチを挙上し、剛性を高めます(ウィンドラス機構)。足底腱膜は、この歩行・走行動作中に伸張ストレスが加わります。足底筋膜の柔軟性が低いと痛み、つまり足底筋膜炎の発症につながります。足底腱膜の柔軟性改善を目的に、足底筋膜ストレッチを行います。

②下腿三頭筋の柔軟性改善

下腿三頭筋も足底腱膜と同様に踵骨に付着しており、下腿三頭筋の張力により踵骨は底屈し、足底腱膜は伸張されます。このため、下腿三頭筋の柔軟性が低いと足底筋膜に余分な負荷がかかります。下腿三頭筋の柔軟性低下改善のために下腿三頭筋ストレッチを実施します。

また、足関節の背屈制限があると同様の理由で足底筋膜に余分な負荷がかかります。この場合も、下腿三頭筋の柔軟性改善は必要ですし、Kagar's fat padの柔軟性や距骨の後方滑り込みの改善も必要に応じて実施します。

③動的アーチ保持機能向上

走行動作では、内側縦アーチの低下からミッドサポートでKnee-in Toe-outに繋がる事があります。このため、動的なアーチ保持に関与する後脛骨筋のトレーニングを行います。まずは、単独で収縮を促すためにセラバンドを使い後脛骨筋のトレーニングを行います。その後、荷重下、足部30°内転位でカーフレイズを行い、後脛骨筋の筋力向上を図ります。

④動作改善

走行動作に近い動作(ランジ動作や段差でのステップ動作)を実施し、Knee-in Toe-out等の不良動作がないかを確認します。その上で正しい動作を反復し、適正な動作の習得を図ります。

足底の痛みでお困りの方いらっしゃいましたら、ぜひご相談ください。

これからも、皆さんのお役に立てるよう、研鑽を続けたいと思います。よろしくお願いいたします。

理学療法士 尾又

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