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6/21 院内勉強会「割座の姿勢での股関節痛に対するリハビリテーション」について

[2024.06.21]

こんにちは。藤沢ぶん整形外科リハビリスタッフの織田です。

今回は、「割座の姿勢での股関節痛に対するリハビリテーション」について行いました。

割座とは、正座の状態から両下腿を開き、尻を床につけた姿勢のことです。

股関節は、寛骨臼(骨盤の受け皿部分)と、大腿骨頭(大腿骨の近位部の球状部分)から構成される球関節で、3方向以上に動く多軸関節と言われています。割座の姿勢をとる際の股関節の動きは、屈曲と内旋です。割座の姿勢では、股関節の可動域は屈曲91°、内旋37°が必要と言われています。股関節の受け皿に骨頭が適切に吸着して動くことを、求心位が保たれていると表現しますが、割座の姿勢で痛みがあり、うまく座れない場合は、寛骨臼と大腿骨頭のズレがある可能性、つまり求心位が乱れている可能性があります。この求心位の乱れは、関節周囲の軟部組織の柔軟性低下により屈曲と内旋の可動域に制限があると生じます。

股関節の屈曲制限がある場合は、股関節後方の軟部組織の柔軟性が低下していることが考えられます。特に外閉鎖筋は、大腿骨頚部の関節包遠位部を折れ曲がって頚部に巻きつくように走行しています。このため、外閉鎖筋の柔軟性が低下すると早期に外閉鎖筋の緊張が高まり、頚部を前方に押し上げてしまい寛骨臼と大腿骨頭のズレにつながります。股関節の内旋制限のある場合は、後方関節包や外旋筋群の柔軟性低下が関与している可能性があります。制限のある方向や、筋の圧痛などから、柔軟性低下している部位を同定することは、適切なリハビリテーションのために重要です。

リハビリテーションでは、股関節を他動的に動かすことによる関節包、筋のストレッチにより、外閉鎖筋を含む臀部の後方組織の柔軟性の改善を図ります。この際、関節包のストレッチでは、関節包を捻る姿勢でのストレッチ、筋のストレッチでは、筋の走行に沿った動きでのストレッチが有用です。また、股関節の運動時につまり感や痛みをともなう場合があります。その場合は、つまりが感じられる肢位で、寛骨臼と大腿骨頭に軽い圧縮と牽引を繰り返し行います。

ホームエクササイズとして、①テニスボールを使った筋のセルフマッサージ、②屈曲、内旋ストレッチ体操、③股関節の求心位での安定と屈曲保持につながる腸腰筋の筋力トレーニングを推奨しています。テニスボールのストレッチでは、ターゲットとする筋肉にテニスボールを20−30秒当てて柔軟性改善を図ります。屈曲、内旋のストレッチ体操は、四つ這いで腰を真っすぐにした状態で、お尻を後ろに下げ、そのまま足を上げて股関節を内旋させます。腸腰筋のトレーニングでは、仰向けで片脚をベッドから降ろし、降ろした側の下肢を上下に動かします。この際に腰が浮かないように意識することで腸腰筋をしっかり使う動きになります。

股関節についてお困りの方がいらっしゃいましたら当院へお越しください。

適切なリハビリテーションを提供できるよう頑張ります。

理学療法士 織田

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