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3/11 院内勉強会 「上腕骨大結節骨折のリハビリテーション」について

[2022.03.16]

こんにちは。理学療法士の齊藤です。

今回は肩関節の外傷の一つである、上腕骨大結節骨折のリハビリテーションについて勉強会を行いました。

大結節骨折には、剥離骨折前方脱臼や転倒時の上肢過内転でのインナーマッスルの牽引による剥離骨折と転倒時の上肢過外転で大結節と肩峰がぶつかる衝突骨折の二つのタイプがあります。解剖学的に大結節は、上腕骨近位部の外上面にある隆起した部分で上面、中面、下面に分けられ、棘上筋、棘下筋、小円筋が付着しています。これらの筋は肩関節のインナーマッスルであり、スムーズな動きにとって重要です。このため、大結節骨折の治療では、安静期間の後の肩関節を動かすリハビリテーションが必要不可欠なのです。

治療の流れは、痛みの強い急性期は安静を保ち、骨癒合が得られるまでは骨片が付着した各筋の収縮と伸長を避け、転移しずらい他動外転運動から開始し、骨癒合が進んだ段階で徐々に多動運動の範囲を拡大し、自動運動も開始します。 

大結節骨折の治療において、エコーはドップラー血流計で骨折部の血行を観察することで骨折部の治癒の経過を把握できる可能性があり、動かしながらの観察で骨折部の不安定性の評価やインピンジ(組織同士のぶつかり)の評価が可能です。今回は、エコーによってインピンジの様子を観察する方法を練習しました。

さらに、大結節骨折のリハビリテーションにおいて、可動域改善において有効と考えられる①棘上筋と肩峰下滑液包との間のリリース法と②烏口肩峰靭帯(腱板疎部)周辺のリリース法を学びました。実際に行ってみて感じたのは、基礎である解剖学がしっかりと頭に入っていることが有効なリハビリテーションに欠かせないことです。やはり何事も基礎は大切ですね。この方法は、大結節骨折に限らず、肩関節周囲炎(五十肩)の方のリハビリテーションにおいても有効な手技と考えられ、明日からのリハビリテーション活かせると考えます。

これからも私達は地域の皆様、スポーツ愛好家の方々に、的確な診断と適切なリハビリを提供できるように日々研鑽に努めてまいります。よろしくお願いいたします。

理学療法士 齊藤

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