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12/6 院内勉強会「前屈動作での腰痛の原因とリハビリテーション」について

[2022.12.06]

みなさんこんにちは。藤沢ぶん整形外科リハビリスタッフの織田です。今回は「前屈動作での腰痛の原因とリハビリテーション」について学びました。

腰椎は、5個の椎骨で構成されています。腰椎の動きには、前後への屈曲伸展の動き、左右への側屈の動き、左右への回旋の動きがあります。

これらの動きの中で可動範囲が特に大きいのは、屈曲伸展の動きです。また、屈曲伸展の動きでは、下位腰椎が大きく動き、側屈の動きでは上位腰椎がより動くと報告されています。また、前屈動作には、腰椎だけでなく、胸椎、骨盤や股関節などが関わります。そして動作解析によると、主に動く部位が時期によって変化することがわかっています。初期(開始〜50%)では腰椎の動きが優位、中期(屈曲50%〜最大屈曲)では胸椎が伸びて、後期(屈曲75%〜最大屈曲)では骨盤前傾運動が優位となります(腰椎骨盤リズム)。これらの動きのバランスが崩れると腰の特定箇所への過負荷が起こり腰痛につながります。

前屈時に腰痛がある場合、その原因箇所は、①椎間板、②筋・筋膜、③仙腸関節、④椎間関節の4つが考えられます。①椎間板は椎骨と椎骨の間にあるクッションの役割をする組織です。椎間板の変性や損傷がある場合、前屈動作での椎間板内圧上昇が腰痛を引き起こします。②筋・筋膜の滑走障害がある場合は、前屈動作で組織のつっぱりが生じ、痛みにつながります。また背中にある脊柱起立筋にとって、前屈動作は負荷の高い遠心性収縮を引き起こし、かつ筋内圧の上昇も引き起こすため、腰痛につながります。③仙腸関節は骨盤輪を形成する仙骨と腸骨の間にある関節であり、周囲を靭帯により強固に連結されています。バランスの崩れた前屈動作において、後方靭帯に過負荷がかかると痛みを起こします。④椎間関節は椎骨と椎骨の間の関節です。ヘルニアやすべり症、もしくは前屈動作の不良に伴い特定の椎間関節への過負荷がかかると、その関節包に存在する侵害受容器を刺数し、痛みが誘発されます。

前屈動作の評価ポイントとして、①腰椎が屈曲している、②骨盤が前傾し、股関節が屈曲している、③骨盤が後方へ移動している、の3点が挙げられます。この3点に注意しながら前屈動作を評価することで、前屈動作の問題点を絞ることができます。動作時の評価として、骨盤圧迫テストによる腹横筋の評価、骨盤可動性テストによる股関節の評価などがあり、原因箇所の特定に有用です。

腰痛のリハビリテーションにおいて、腰椎の屈曲過剰の際は腹横筋を中心とした体幹トレーニング、胸郭、骨盤、股関節の可動性低下の際はその可動性を改善することが大切です。

今回は、①骨盤・股関節の可動域不良の場合の四つ這いでお尻を左右に動かすトレーニング、四つ這いでの開排ストレッチを、②胸郭の可動域不良の場合のタオルを背中に入れて背中を伸ばすストレッチ、うつ伏せで手を斜め前方に上げながら胸郭を動かして腹筋を入れるトレーニングなどを実際に試しました。

長引く腰痛がある方いらっしゃいましたら、ぜひ当院にお越しください。適切な評価とリハビリテーションで期待に応えるよう頑張ります。

理学療法士 織田

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