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3/22 院内勉強会「長橈側手根伸筋の機能に着目した外側上顆炎のリハビリテーション」について

[2024.03.22]

こんにちは。理学療法士の高石です。今回は、「長橈側手根伸筋の機能に着目した外側上顆炎のリハビリテーション」について勉強会を行いました。

上腕骨外側上顆炎は、日常診療で数多く遭遇する疾患です。病態は、短撓側手根伸筋(ECRB)の腱付着部症であることが多いといわれています。その他にも関節内滑膜炎や滑膜ヒダの陥入、輪状靭帯の断裂や狭窄も原因になります。テニスなどのラケットスポーツで発症することが多く、別名”テニス肘”と呼ばれますが、スポーツだけでなく、手を使う職業上の動作により発症することも多いです。デスクワークでのタイピングや重量物を頻回に扱う仕事など、前腕伸筋群に高負荷かつ反復的な負荷が強いられる作業での発症が報告されています。

上腕外側上顆には、短撓側手根伸筋と共に長橈側手根伸筋、総指伸筋が付着しています。短橈側手根伸筋は、上腕骨外側上顆より起始し第3中手骨底に停止します。長橈側手根伸筋は上腕骨外側顆上稜より起始し第2中手骨底に停止します。作用はどちらも手関節橈屈、背屈に作用します。しかし、長橈側手根伸筋の方が停止部がより橈側にあるため、背屈+橈屈の動きでは長橈側手根伸筋を優位に働かせることができ、短橈側手根伸筋への負荷を減らせる可能性があります。また、長橈側手根伸筋の起始は、付着部起始部の面積が大きくほぼ筋成分のみであるのに対し、短橈側手根伸筋の起始は腱成分のみです。そのことから、付着部にかかる牽引力に対し、長橈側手根伸筋の起始部の方が力学的強度が高いと考えられます。以上の事より、付着部に牽引力が掛かる様な力強い把持動作において、背屈+橈屈にて把持することで長橈側手根伸筋を優位に働かせることが大切です。加えて、把持動作の際に尺側の手指(4、5指)を強く握ることで手関節の橈側と尺側に同時に力が入ることとなり、手関節の固定性がさらに高まります。

今回は、リハビリテーションにおける短撓側手根伸筋と長橈側手根伸筋の触りわけ、短撓側手根伸筋のストレッチ方法を確認しました。その上で前述の長橈側手根伸筋の機能に注目し、力強い把持動作の際を想定した運動療法として、手関節背屈+橈屈の把持ができるよう、動作学習をする方法を確認しました。

今回の勉強会では、外側上顆炎の場合に仕事や生活場面での負荷となる動作を観察し、修正することも重要だと改めて学ぶことができました。

当院は、外側上顆炎に対するリハビリテーションも積極的に対応しております。ぜひ、相談ください。

理学療法士  高石

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