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8/30 院内勉強会「肩関節のエコー評価(烏口肩峰靭帯)」について

[2022.08.30]

こんにちは。藤沢ぶん整形外科の高橋(だいき)です。

今回も、前回に引き続き「肩関節のエコー評価(烏口肩峰靭帯)」をテーマに勉強会をさせていただきました。

最近”痛み”について考える機会がありました。痛みに対する意識についての調査では、痛みがあっても我慢する人の割合が約67%、長く続く痛みに対して諦めている割合は約70%と報告されていました。さらに痛みの治療に対して整形外科等の医療機関(整体、整骨院等も含む)で治療を受けている割合は約27%と報告されていました。”痛み”に対して我慢や諦めている人が約7割も存在することを知り、驚きました。

肩関節の疾患は、炎症の長期化が関節内癒着を起こし、痛みや可動域制限などの症状を慢性化させます。その結果、日常生活に大きな影響を及ぼすのです。

エコーは、実際に肩関節内部の炎症や癒着の有無を確認をすることができる評価ツールです。問診の後で視診や触診をおこなった上で、問題と思われる部分をエコーを使って観察することで、より正確な病態把握につながります。

前回の烏口上腕靭帯に続き、今回は烏口肩峰靭帯のエコー観察と運動療法について学びました。烏口肩峰靭帯とは、烏口突起から肩峰に付着する靭帯であり、肩関節の屋根の役割をしている靭帯です。この靭帯の下には、肩峰下滑液包(SAB)と言われる摩擦を軽減する組織があります。SAB周辺は、肩関節動作時に摩擦が生じやすく炎症を起こしやすい部位になっています。エコーで観察すると、烏口肩峰靭帯が肩関節の動きに伴って下方から突き上げられる様子や、SABに水腫(水が溜まっている)がある様子、癒着で動きが滞っている様子などがわかります。ドップラー(血流評価モード)を使うと、炎症の有無を判断できます。リハビリスタッフ同士で変わるがわるエコー評価を練習しました。

炎症がある場合の治療は、ステロイド注射や投薬による消炎・鎮痛を行います。癒着のある場合の治療は、理学療法士による関節可動域訓練を行います。

炎症の長期化は広範囲での癒着を引き起こし、難治性の可動域制限を引き起こします。肩の痛みを感じた際は、早めの受診をお勧めいたします。

満足頂けるリハビリを提供するために、積極的にエコーを使いたいと考えます。よろしくお願いいたします。

理学療法士 高橋(大)

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