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7/8 院内勉強会「サッカーにおけるキック動作と足部のリハビリ」について

[2022.07.08]

こんにちは、藤沢ぶん整形外科リハビリスタッフの高橋(孝)です。

今回のテーマは、「サッカーにおけるキック動作と足部のリハビリ」についてです。

長距離パスやシュートなど大きなエネルギーを込めるキック動作で使われる方法に、足の甲を使ったインステップキックがあります。インステップキックの動作において各関節の動きの速度を解析した報告によると、最初に大転子(腰関節)に速度のピークがあり、次に膝関節、最後に足関節と近位から遠位の関節に速度のピークが移っていきインパクトに至ります。これは、連動する幾つかの関節が連鎖的に関係して動き、体幹部のエネルギーを末梢部に伝達する運動連鎖のメカニズムが働いていると考えられ、「鞭の運動」と表現されています。各関節の速度を比較するとは足関節が圧倒的に速く、股関節、膝関節の約2倍です。このため負荷がかかりやすく怪我も多いと考えられます。

サッカーにおける足関節の障害は、繰り返す動きによる組織間のインピンジ(ぶつかり)や、捻挫後の不安定性などが誘因となります。足関節の前方インピンジは、ストップ動作や着地など足関節背屈位での繰り返されるストレス による足関節前方の軟部組織及び骨性のぶつかりです。捻挫により不安定性が生じると距骨の前方亜脱臼が発生し、前方インピンジが助長されます。重症になると距骨や脛骨の前方に骨棘を認めることもあります。足関節の後方インピンジは、ジャンプや着地動作の繰り返しとインステップキックのインパクト時の過底屈による足関節後方の軟部組織及び骨性のぶつかりです。底屈動作の繰り返しの結果、後方関節包の炎症、肥厚瘢痕化による痛みや、三角骨の有痛化が起きます。

今回は、前方インピンジの原因の一つである足関節不安定性と距骨前方亜脱臼について、アライメント評価、背屈可動域評価の方法を確認しました。その上で、距骨後方滑りを改善させるアプローチ、足関節不安定性を改善させるアプローチについて確認し、実際に試しました。

サッカーに伴う足関節痛のリハビリテーションでは、足関節の十分な可動域の確保、下腿三頭筋などのふくらはぎ周囲の筋力トレーニングを行います。さらに競技特性に合った荷重訓練や動作訓練をおこない、再発予防も含めたリハビリテーションで競技復帰を目指します。

これからも地域の皆様やスポーツ愛好家の皆様の期待に応えるリハビリテーションを提供できるよう、日々研鑽に努めてまいります。

理学療法士 高橋(孝)

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