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5/12 院内勉強会「サッカーに伴うグロインペインシンドローム(鼠蹊部痛症候群)の介入」について

[2023.05.12]

こんにちは。理学療法士の高石です。今回は「サッカーに伴うグロインペインシンドローム(鼠蹊部痛症候群)の介入」について勉強会を開かせて頂きました。

グロインペインシンドローム(鼠径部痛症候群、以下グロインペイン)とは、鼠径部周辺に多様な原因で発生する各種の痛みがあり、原因を特定しにくいため鼠径部痛症候群と呼ばれています。体幹〜下肢の可動性・安定性・協調性が失われた結果、股関節周辺の機能不全に陥り、鼠径部周辺に様々な痛みを起こしている状態をいいます。スポーツではサッカーに伴う発症が最も多いとされています。

グロインペインに該当する疾患は多岐にわたります。原因となっている部位から、以下の5つのグループ(1.內転筋由来 2.鼠径管由来 3.恥骨由来 4.股関節由来 5.腸腰筋由来)に分類されます。5つグループごとに痛みの出る場所や動作、特徴が異なり、区別して捉える必要があります。

リハビリテーションでは、問診や評価、スポーツ特性に応じて痛みの場所を突き詰め、グループに分類します。次に、原因部位の機能改善(柔軟性・可動性、筋力向上)を図ります。その上で、隣接する関節との協調性・バランス機能の向上を図り、さらにジョギングやスプリントトレーニング、徐々に負荷量を上げます。その上で最終的に競技ごとの練習を再開し競技復帰を目指します。

サッカーに伴う発症が最も多い理由としては、片足キック時の軸足やパワーポジションの股関節が比較的深い屈曲角度で行われるためと言われています。股関節屈曲位では外転筋力の働きが少なくなり、股関節の内側にストレスがかかりやすくなることが関わります。さらに蹴り脚では、特にサイドバックなどインサイドキックでセンタリングをする機会が多い選手だと、骨盤を後傾させて関節の被覆が減少した状態でキックしているため、股関節の内側にストレスがかかることも指摘されています。

このことはグロインペインのリハビリテーションにおいて、局所の疼痛軽減や機能改善だけでなく、動作改善も含めた対応の必要性を示していると考えます。

グロインペインは、陸上競技、ラグビーなど、サッカー以外のスポーツでも発生することもあります。適切な治療を受けずにスポーツ活動を続けていると長引く可能性もあります。鼠径部の痛みや違和感でお悩みの方がいましたら、一度当院に相談ください。

理学療法士 高石

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