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4/8 院内勉強会 「股関節の障害とリハビリテーション」について

[2022.04.08]

今回のテーマは「股関節の障害とリハビリテーション」についてです。

股関節症の主な症状は、関節の痛みと機能障害です。股関節は鼠径部(脚の付け根)にあるので、最初は立ち上がりや歩き始めに脚の付け根に痛みを感じます。日常生活では、足の爪を切りにくくなったり、靴下を履きにくくなったり、和式トイレ使用や正座が困難になります。進行すると、立位や歩行がつらくなりますので、台所仕事などの日常生活動作に支障を来たします。

保存療法では、ストレッチによる股関節の可動域の改善と股関節周囲の筋力強化、姿勢調整などのリハビリテーションをおこないます。

痛みが強く、股関節の変形が強い場合は、人工股関節置換術を行う場合があります。関節の痛んでいる部分を切除し、金属とポリエチレンなどでできた人工の関節に置き換える手術です。最近は、低侵襲の術式や良い機材が開発され、早期回復と安定した術後成績が得られるようになっています。術後の注意点としては関節がはずれてしまう脱臼があります。術後3 カ月以内に発生することが多く、股関節周囲の組織や筋肉が回復するまでの期間に特に注意が必要とされています。手術の術式によって脱臼しやすい動きや姿勢があり、日常生活において注意が必要です。

術後リハビリテーションでは、股関節周りの筋力強化や関節可動域訓練、歩行訓練に加えて、脱臼しやすい姿勢を避けた動作の練習を行います。

私が股関節のリハビリテーションで大事にしていることは、隣接する体幹の機能強化です。歩行や立ち上がりの動作において、股関節の筋肉はは体幹の筋肉と協調して働き、身体を支えます。より体の中心に近い体幹の安定性が重要であることは言うまでもありません。このため股関節周囲筋の強化だけでなく、体幹筋強化を同時に行い協調性を高めることが、股関節のリハビリテーションに欠かせないと考えます。

今回は、股関節と体幹を協調して動かすトレーニングを実際に試して、確認しました。

これからも地域の皆様やスポーツ愛好家の皆様の期待に応えるリハビリテーションを提供できるよう、日々研鑽に努めてまいります。

理学療法士 高橋(孝)

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