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11/29 院内勉強会「頚部痛のリハビリテーション」について

[2022.11.29]

こんにちは、藤沢ぶん整形外科リハビリテーションスタッフの高橋(孝)です。今回は、「頚部痛に対するリハビリテーション」について院内勉強会を開催しました。

頚椎は、脊柱の機能である体幹支持の役割の一部を担い、かつ脊椎の最も上部で頭部を支え、運動に伴い形を変えます。7つある椎骨とその間に存在する椎間板により構成されています。椎間板は、太い膠原線維の膜(繊維輪)の中にゲル状の物質(髄核)が入っており、ショック吸収の働きをします。椎間板の機能が低下すると椎間関節に負担がかかり、変形や骨増殖が生じます。その結果、頸神経の圧迫や関節の炎症により頚部痛をきたします。

また、頚椎の安定化機構には、静的安定化機構と動的安定化機構があります。静的安定化機構は、主に靭帯(椎体の前方を走行する前縦靱帯、椎体の後方を通過する後縦靱帯、突起間をつなぐ棘間帯、棘突起の表面を走行する棘上靭帯、横突起間をつなぐ横間靱帯など)により構成されています。一方、動的安定機構は、主に筋肉から構成され、大きくわけて①頚椎の外側に位置し、運動に関与するグローバル筋(頭板状筋・頸板状筋・頸腸助筋・頸最長・頭最長筋など)と、②頚椎の内側位置し、局所安定に働くローカル筋(棘間筋と棘筋、横突起から棘突起を結ぶ横突林筋系の短・長回旋筋、多製筋、頸・頭半棘筋など)に分けられます。これらの筋のバランス不良による姿勢異常や運動異常も頚部痛の原因となります。

リハビリテーションでは、姿勢調整により頸神経の圧迫回避や炎症の改善を図ったり、ストレッチや筋トレにより筋バランス不良の改善を図ることにより、頚部痛の軽減、消失を目指します。

今回の勉強会では、この頚椎の解剖学的な構造と、安定化機構の機能を確認しました。さらに頚椎の動的安定性を改善するための運動療法として、頭板状筋、半棘筋、後頭下筋群への介入方法を試しました。また、猫背の姿勢のように肩甲骨が外転・下方回旋位をとると胸椎は屈曲しやすく、その改善には肩甲骨の内転・上方回旋の動きが重要です。このための、肩甲骨の内転や上方回旋に作用する僧帽筋中部、下部線維や菱形筋と前鋸筋の筋力トレーニングの方法を試しました。

デスクワークや調理など、姿勢不良が起こりやすい仕事では、頚部痛が起こりやすいです。コロナ禍におけるテレワーク化に伴い、首の痛みで来院する方は多い印象です。このような場合、リハビリテーションをお勧めしています。姿勢への意識改善による予防も含め、お伝えさせていただきます。ぜひ、相談ください。

これからも、地域の皆様やスポーツ愛好家の皆様の期待に応えるリハビリテーションを提供できるよう、日々研鑽に努めてまいります。よろしくお願い致します。

理学療法士 高橋(孝)

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