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10/21 院内勉強会「スキー競技における膝前十字靭帯(ACL)のリハビリテーション」について

[2022.10.21]

みなさんこんにちは。藤沢ぶん整形外科リハビリスタッフの織田です。
当院では、ACL損傷の診断と術後のリハビリテーションをおこなっています。先日、スキーでACL損傷された方のリハビリを担当しました。
今回は、「スキー競技における膝前十字靭帯(ACL)のリハビリテーション」について勉強会を行い、そのポイントを再確認しました。

ACLは脛骨(すねの骨)が前方に移動するのを制動する靭帯となります。
ACL損傷は、関節内靭帯の損傷であることから保存療法で治ることはなく、多くは手術を要します。手術後はスポーツ復帰まで6ヶ月〜1年かかるといわれています。
アメリカの研究によると3000人に1人が受傷しているとの報告があります。また受傷の大半が15歳から45歳の年代であり、この年代に限ると1750人の1人が受傷することとなります。受賞率では女性が男性と比べて2倍から8倍高く、研究によるとスキー競技による4つのACL受傷状況があります。スキーにおける外傷・傷害では、膝の靭帯損傷、腰痛の順に多いと言われております。その受傷機転は、① slip-catch:ターン時に外側スキーへの荷重が不十分となることで、外側スキーの軌道がスリップ(slip)し、直後に内側エッジが雪面へ引っかかる(catch)とき、②ジャンプ後の片脚着地、③体幹後傾、④膝関節外反と内旋または外旋などがあります。スキー滑走での予防点としては、①両腕を前にする→これにより体幹前傾保持ができます。②両スキーを揃えて滑る→両脚への均等荷重となります。③両手はスキーの上に→膝関節の回旋予防ができます。上記を意識することが再発予防の観点から重要です。

ACL術後のリハビリテーションでは、基本的に手術を行なった医師の設定したスケジュールに沿って行い、術後の時期により内容を変えていきます。
そのポイントは、術後早期では膝の可動域を獲得することが重要です。特に膝の伸展制限があると、生活の中で痛みがでやすくなり、スポーツにも支障が出ることが知られています。そのため膝を伸ばす筋力トレーニングなどを行います。また股関節や体幹といった術部以外のトレーニングも行います。
装具が外れる時期になると荷重下での運動を行います。まずは、床面でのスクワットやランジなどを行います。次に、バランスパッドなど足場が不安定な状況で同様の荷重下運動を行い、バランス能力の再獲得、向上を目指します。さらに、ジャンプ動作の練習を行います。
スポーツ復帰の前には、受傷時の動作を再確認し、適切な体の動かし方を繰り返し行うことで再発予防に務めます。ポイントは、体幹の後傾や膝の内側への回旋が起きないようにすることです。
スキーでの受傷機転は前述しましたが、この受傷機転はスポーツ毎に違うため、競技特性に応じたトレーニングが重要となります。

当院では、ACL損傷の診断、手術治療のための紹介、そして術後のリハビリテーションの対応をしています。再発予防も含めたスポーツ復帰をサポートさせていただきます。
充実したスポーツ活動を望むスポーツ愛好家の皆様のために、これからも頑張ります。

理学療法士 織田

 

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