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8/30 院内勉強会「橈骨遠位端骨折の手術後に対するリハビリテーションについて」

[2024.08.30]

みなさんこんにちは。藤沢ぶん整形外科リハビリスタッフの織田です。

今回は、「橈骨遠位端骨折の手術後に対するリハビリテーションについて」勉強会を行いました。

橈骨は、手首と肘の関節を担う骨です。遠位骨幹端から骨端にかけて骨皮質が急激に菲薄化するため、外力が加わった場合に遠位端骨折を生じやすいです。この遠位端骨折の受傷機転は、年齢に相関し、小児ではスポーツ、骨粗鬆症を伴った40歳以上の女性は転倒、壮年の男性は転落や交通事故などが多いと言われています。

骨折の転位の程度や不安定性により治療方針を決定します。転位の少ない場合や整復後に不安定性のない場合は、保存療法を選択し、ギプスやシーネ固定が行われます。整復が保持できない不安定骨折や保存療法での再転位例などは、手術を勧めます。手術法としては、現在は掌側プレート固定が一般的です。

手術後は、手術に伴う侵襲の影響と痛みに伴う不動の影響で、浮腫みが出ることが多いです。また、痛みのために動かすことを先延ばしにすると手指関節と手関節の拘縮が進みます。このためリハビリテーションでは、保存療法の場合も手術療法の場合も損傷部、手術部に負担をかけない範囲で積極的に手指関節と手関節を動かしていきます。

まず、創部から離れた手指から動かします。Dobbyn’s Six Packsと言われる、グー・チョキ・パーの動きや、母指と示指、母指と中指など指同士をつける対立動作を行います。次に手関節を動かします。自分で動かす自動運動、周りの筋肉・皮膚をマッサージすることで、拘縮の進行を止め、関節可動域の改善を図ります。特にダーツスローモーション(ダーツを投げる動きに)は、橈骨に負担をかけずに手首を動かせるため、早期から行います。

手術後に痛みを避けて動かさないと、筋肉がかたまり、拘縮に至ります。その結果、筋や腱の周囲が癒着し、神経に負担がかかり、手指に痺れが出ることがあります。手根管は、手根骨と屈筋支帯からなる線維性、骨性のトンネルであり、正中神経と多数の屈筋腱が通過しています。この手根管に癒着が起きたり、周囲組織の腫脹により正中神経に圧がかかり、母指から環指にかけての痺れがでるのが手根管症候群です。橈骨遠位端骨折の術後に発症することもあります。

リハビリテーションでは、手関節部で浅指屈筋腱、長掌筋腱、橈側手根屈筋腱の腱間を緩めることにより、正中神経のリリースを図ります。また、前腕部の円回内筋周囲での正中神経周囲のリリースも併せて行います。

骨折や手のしびれでお困りの方がいらっしゃいましたら、当院へお越しください。今後とも的確なリハビリテーションを提供できるよう精進してまいります。

 

理学療法士 織田

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