8/25 院内勉強会「手関節の可動性改善や握力強化のリハビリテーション」について
みなさんこんにちは。藤沢ぶん整形外科リハビリスタッフの織田です。
今回も「手関節の可動性改善や握力強化のリハビリテーション」についての勉強会を行いました。
前回は手関節の掌屈と背屈運動について行いましたが、今回は橈屈と尺屈運動について学びました。橈屈は前腕に対して親指側へ手が動く関節運動で、尺屈は手が小指側に動く関節運動です。橈屈と尺屈はそれぞれ相対する運動です。
1、橈屈動作の障害について
通常、橈骨と尺骨の位置関係は橈骨が約25°の角度で尺側に傾斜し、約10°掌側に傾斜しています。橈骨の骨折やその術後にこの傾斜が変わってしまうことがあります。傾斜が大きいほど尺側へのずれやストレスが強くなり、動かしたときや手を着いたときなどに痛みが出現することがあります。
2、尺屈動作の障害について
手関節の尺側に三角線維軟骨複合体(TFCC)という組織があり、手関節尺側の安定させる働きや衝撃を和らげる働きをしています。手を尺屈位でよく使う仕事やテニスなどのスポーツで手関節尺側に繰り返しの圧力がかかるとTFCCがダメージを受け、痛みが出現します。また、橈骨遠位端骨折で橈骨が短縮し、尺骨が相対的に長くなった場合にも尺屈動作で痛みが起きたり可動域制限が生じます(尺骨突き上げ症候群)。
可動域改善のためのリハビリテーション:TFCC損傷に対する徒手療法として、圧迫と弛緩を加えるリリース法、三角骨を尺側から押し込みながら尺屈運動を反復するモビライゼーションを試しました。
握力強化のためのリハビリテーション:骨折後や保存療法の治療に関して一定期間固定すると握力の低下がみられます。日常生活を送る上で、握力は大切であり、受傷前の握力に戻すことが望まれます。身体の構造上、手関節を30°背屈した状態が一番握力の入りやすい状態となります。今までは握る練習を多く行ってきましたが、手首を背屈方向への筋力強化も重要ということに気づきました。実際スタッフ間で手関節の角度を変えて握力測定すると、手関節背屈30°で一番数値が高く、背屈の筋力強化を少ししたあとで計測すると最大で3㎏も握力が上がりました。
手関節の動きに支障がある、手に力が入りにくい、などでお困りの方がいらっしゃいましたら当院に相談ください。動かして直すリハビリテーションを試してみませんか。
理学療法士 織田