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5/26 院内勉強会「腰椎分離症のリハビリテーション」について

[2023.05.26]

こんにちは。理学療法士の高橋大基です。今回は、「腰椎分離症のリハビリテーション」について勉強会を行いました。

腰椎分離症とは、脊柱を構成する腰椎の椎弓部分に伸展や回旋ストレスが繰り返し加わる事で発症する疲労骨折です。成長期である10代前半から後半にかけての小学生〜高校生のスポーツ選手に多いです。診断は、MRIとCTで行い、治療は、4ヶ月の硬性コルセットの装着とリハビリテーションを行います。

分離症のリハビリテーションにあたり、①成長期を理解する、②競技特性に合わせた体作りをする、の2点が重要です。

①成長期を理解するとは

成長期では、骨の急激な成長に筋肉の成長が追いつかず、相対的に体が硬い状況になります。この硬さが、スポーツに伴う動作において、腰椎椎弓へのストレスにつながり分離症につながります。柔軟性の評価を行い、体のどの部位の柔軟性が低いのかを把握し、適切なストレッチ方法を選んで柔軟性を改善することが重要です。

② 競技特性に合わせた体作りをするとは

分離症の発症原因は、体幹の伸展と回旋の繰り返しによるストレスです。これは、スポーツにおける体の動きにおいて、胸椎や股関節の動きが乏しく、腰椎を必要以上に動かすことで対応していることが、発症につながると言われています。『発育期の腰椎分離症に対する Sahrmann Core Stability Test による評価』という文献に、腰椎分離症において体幹機能の低下が認められたとの報告があります。体幹の動かしすぎ=体幹の安定性の低下が原因となっていることを示していると考えます。このため、腰椎は安定させた上で、胸椎、股関節が動きやすい状態を目指します。つまり、体幹強化と体幹機能の改善と胸椎、股関節の可動性の改善を図ります。このことは、以前勉強会で学んだjoint by joint theory(JBJT)に通じます。最終的には、それぞれの競技の動きの中で、体幹の安定性を保って動けるようになることが、競技復帰するために、さらには再発防止のために必要です。サッカーであればキック動作でのクロスモーション、陸上競技であればランニング動作での動作修正と改善を図ります。サッカーの場合の実際では、バランスクッション上での片脚立位の保持、さらにその状況でのキックモーション、サイドステップ時に下腿軸を揃えて着地ができているのか、など動作の一つ一つを切り取ってチェックし、競技復帰できる身体機能作りをサポートしています。

最後に、腰椎分離症は一度発症すると治療のために長期間のスポーツ活動の休止を要します。このため予防が大切です。1年間に身長がどれだけ伸びているのかをチェックしましょう。1年に身長が6〜10cm程度伸びている場合は、成長期のピークに差し掛かっていると考えられます。このタイミングに、ストレッチをしっかりして競技を行う事をお勧めします。不安や疑問がありましたら、遠慮なく受診ください。

私たちは、地域住民の皆様やスポーツ愛好家の皆様に寄り添えるクリニック、そして期待に応えるリハビリテーションを提供できるよう頑張ります。

理学療法士 高橋大基

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